なまえ

今更ながら、お店のなまえは「シーン」と読みます。

情景、光景、景色などの意味をもつ言葉です。

屋号を決めたのは2016年6月。
カテリーナの演奏会のため京都へ出かけていたときのこと。

古楽器の音色に包まれているとき、ふと
「scene」と「sense」
かさなったふたつのスペルが、光射すように頭に浮かびました。

景色と感覚。
何かが突き出ることもなく、角のない、美しく流れるような文字の羅列に思えました。

必死で探した新しいものだけではなく、いま目の前にあるもの
広がる景色のなかに、何度でも新しい感覚を見出すことができる

先のことを想像して憂いていた毎日に、誰かがそんなメッセージをプレゼントしてくれたような
忘れられない出来事でした。

その出来事から、お店の屋号を「scene」と決めたのでした。

この場所で出会うものが誰かにとって
手にしたそのときから何度でも心動かされるものになるよう願いを込めて。